イアフォンを買う(すぅ専用)

Saturday 5 March 2016

 訳あって1万円前後のイアフォンを買うことになりました。自分は1日の中でもiPhoneで音楽を聴きながら過ごす時間が長いので、多少の贅沢はしてもよかろうという感じです。それで最終的にはシュアのSE215というものを買いました。
 色は透明の「クリア」と黒い半透明の「ブラック」があるのですが、クリアにしました。なんか、ミュージシャンが使ってるイン・イア・モニターっぽいじゃないですか。😋

パッケージ

ブルーがきれいだけど、これといって特徴のないパッケージ

 今は毎日長いときは4時間とか、これで音楽を聴いていますが、そこに至るまでには紆余曲折があったのです。ということで、長編になりますが以下そのへんを書いていきます。

実はカナル型はいやだったんです

 もともとは、このブログの横にバナー広告を出している通りボーズの音が好きでして、クランベリーカラーのSoundTrue というのを買おうと前々から心に決めていました。が、ちょうどモデルチェンジして店頭になくなりつつあったんですね。新しいSoundTrue Ultraというほうは、Boseの軽い装着方法ではなくなって、耳栓型(カナル型)に変わってしまった上、値段も少々高くなったので早々に候補から外していました。
 昔も書きましたが、カナル型はタッチノイズ(ケーブルが服などに触れたときに耳の中に響くノイズ)がダメなんですよね。
 でも、カナル型がダメってなると選択肢はあまりなくて、逆に簡単に選べていいです。ボーズのSoundSportというのと、ビーツのPowerbeats2くらいしかないんですよね。B&Oもいいんですが、ちょっと予算オーバー。
 で、音の傾向はどちらも低音が強くて似ていますが、なにしろPowerbeats2はデザインが美しい。青も赤も白も美しい。ほぼ心は決まっていて(心が決まるの二度目)、あとはどの色を選ぶかっていうところにまでなっていました。
 うーん、どうしようどうしよう、赤もいいけど、青もなかなか他にない色でいいなあ、白も一見普通のiPhoneのイアフォンのように見えて実はビーツっていうのがかっこいいかもなあ、みたいに迷いながら、お店でついでに他の製品もあれこれ試聴してたんですね。

意外とこれなら大丈夫かも、となったのがシュア

 そうしたらシュアのやつは、カナル型でも案外タッチノイズが気にならない、ということに気づいたんです。ケーブルを耳の後ろに通す「シュアがけ」という装着方法をすると比較的タッチノイズは気にならないよ、って話は聞いていたんですが、確かにそんなに気にならないかも、と思い。

本体

こんなふうにケーブルを丸くして耳の後ろに回します。この部分には針金が入っていて、形を合わせることができます

 中でもSE215 Special Editionという青いモデルは、少し低音が強めに出るので、もしかしてこれもいいかも、と思ったわけです。
 「よし、これまで毛嫌いしてきたカナル型だけど、これならいけるかもしれないし、定評あるシュアだし、今回はこっちにしてみよう!」と心を決めました(心が決まるの三度目)。

いやまて、そんなバカな…

 で、何度となく電器屋さんに足を運んで、SE215 Special Editionの音を確かめ、本当にPowerbeats2じゃなくていいのか、と試聴を繰り返しました。
 その過程でちょっとSE215というのも聴いてみたんですね。SE215というのは、スペシャルじゃないオリジナル・バージョンの方です。もともとSE215というのが出ていて、日本市場向けにスペシャル・エディションというのを出したんだそうです。違いは色(スペシャルは初代iMacみたいなブルーのみ)とケーブルの長さ(スペシャルの方が短い)と低音の出方。スペシャル・エディションはビーツほどじゃないけど低音が出ます。
 ネットとか見ていると、オーディオオタクの人は、どういうわけか低音が出るものを毛嫌いしている感じがあり、ビーツとかボーズとかは不自然な音みたいな評価をされてるっぽいのですが(おおざっぱ)、ぼくとしては生演奏を聴いた時の聞こえ方が基準なので、どんなイアフォンも低音は出なさすぎだと思うんですね。多分、耳の中だけでは体に伝わってくる低音の振動は再現できないんだと思うのですが。
 ハイレゾがどうとか空気感がどうとかいうより、何よりも実際に本物の演奏を聴いたときの感覚として、音楽っていうのは普通もっと低音が鳴っています。それを結構再現できるものとして、ぼくはボーズの音が好きなんですが、なんか最近ボーズも日和ってきていて他のメーカーに似た感じの低音のバランスになってきてる気がするんですよね。デザインも変にポップにしようとしてるし。
 まあ、それはともかく、SE215 Special Editionは、まあまあ低音も出ていて、タッチノイズもカナル型にしては少なめだし、今回はこれでいこう、と思っていたわけですが、スペシャルじゃない方で試聴をしていると、何かが違う!
 そう、全体的な高音・低音のバランスは不満なんですが、サイレントサイレンというバンドのボーカル、吉田 菫(ニックネームは「すぅ」)の声が、なんだかとても気持ち良く響くんです。ノーマルもスペシャル・エディションも中域は同じ音が出てるはずだと思うんですが、実際何度も聴き比べると、ノーマルの方だけが魅力的に聞こえる。
 いや、まてそんなバカな、店頭の個体差に過ぎないんじゃないか、とか思ったんですが、他の店で聞いてもやっぱりそういう感じがする。
 この時点ではすでに試聴生活が数週間続いています。何度となくいろいろな店に通っていて、はっきりいって意味不明に疲れています。😅 自分の耳もなんだか信じられなくなってきています。しかし、本来自分が欲していたはずの低音より、すぅのボーカルがきれいに聞こえるノーマル版のSE215に魅力を感じる…。
 その他の面では、おおむねスペシャル・エディションの方が好みなんです。色もきれいだし、ケーブルも適切な長さだし。
 でも、全体的に合格点のものよりも、一点だけ突き抜けてるものの方が、最後は満足できる、ということもあります。だから、今回は迷いに迷った末に、「すぅのボーカルがいい」ということを主な理由にノーマル版のSE215を買いました。つまり、これはもう「すぅ専用」イアフォンということです。

というわけでめでたくSE215を購入

 買ってから聴いてみると、シンバルとかがうるさい。1日くらい音楽を鳴らし続けてエイジングをすると、普通になった感じがします。これは、乃木坂46の「バレッタ」という曲を聴くと分かりやすい部分です。この曲はとてもいいんだけど、クラッシュ・シンバルが左右にちょっとうるさいくらい入っているので、もうシンバルばっかりが鳴ってるように聞こえました。が、エイジングが進むと明らかに普通に聴ける感じになりました。「バレッタ」が普通に聴けるようになったらエイジング終了、ということです。
 カナル型イアフォンは、耳に入れる部分にイア・ピースというのが付いています。シュアではスリーブとかイヤパッド呼ぶようです。SE215にはふわふわしたフォーム・タイプと、柔らかいプラスティックのドームになってるソフトフレックス・タイプの二種類、それぞれに大きさがS、M、Lの計6種類、12個付属しています。
 最初はフォームのMサイズが付いているんですが、他のサイズを試すために外そうとしても、これがなかなか取れません。すごく固いです。スリーブを強く掴むと潰れてしばらく形が戻らないので、壊れたかと思ってあせるのですが、10秒くらいで元に戻ります。爪の先を使って、ゆっくりとまっすぐに外していくしかありません。
 ぼくは結局全部の種類を試して、結局もとのMサイズのフォーム・タイプに戻りました。スリーブをつけ変えるたびに、爪の先が痛くなりましたね。

遮音性など

 このモデルは、遮音性は最高とレビューされている人が多く、電車のアナウンスが聞こえないとか歩いているときに周りの音が聞こえなくて怖いとか書かれていますが、そこまでではないかなあ。電車の車内のアナウンスは、場合によりけりだけど、まあ聞こえるんじゃないでしょうか。道では、多少気をつけなきゃいけないなと思って、キョロキョロしながら歩いているという感じです。
 でも、車内がうるさいことで際立っている横浜市営地下鉄グリーンラインの中でも、クラシックを聴けるくらいの遮音性はあります。これはとてもありがたい。今まで電車の中ではクラシックは基本聴くことはありませんでしたが、SE215があれば普通に聴けそうです。

 また、前使っていたボーズのインイアはケーブルが切れてしまったのですが、これは簡単には切れそうにないです。ケーブル自体結構太くて、ケブラーというかたいプラスティックみたいなもので包まれています。左右が分かれる部分も、ありえないほど頑丈に作られています。

ケーブル

物としては若干安っぽい質感なのですが、かなり強そうなケーブルです。左に見える白いクリップは100円均一で買ったイアフォンについていたもの

 イアフォン・プラグの部分も、かなり頑丈です。故意にねじ曲げたとしても簡単には切れなさそう。色はなんだかくすんでいて、ちょっとダサいんですけど、こういう無骨なところが業務用って感じがして逆にいいんですよね。

細部の作りの頑丈さがヘビー・デューティーでアメリカンな雰囲気です

細部の作りの頑丈さがヘビー・デューティーでアメリカンな雰囲気です

EQも導入

 「すぅ専用」とまで思って買った、その音質ですが、まあいい感じなんじゃないかと思います。店頭のように他のものととっかえひっかえ聞き比べることはできませんが、サイレントサイレンをとても楽しく聴けています。
 しかし、もともと足りないと思っていた低音は、やっぱり全然出ません。インイア型のイアフォンは、ひとりひとりの耳の形にもかなり影響を受けるだろうと思うので、もしかしたらぼくの耳が特殊なのかもしれませんが、世の中がいうような「フラットな特性」とは到底思えず。
 中音から高音はきれいに出ています。iPhone純正のEarPodsと比べると、シンバルとかアコースティック・ギターとか、そういう音がとてもよく聴こえます。
 でも全体的には変なバランスだと思うので、今までほとんど使ったことのなかったイコライザーを使うことにしました。
 まずはiPhone純正ミュージックアプリのEQから。ベースブーストとかラウドネスを試すも、なんだかただ音が劣化してるだけのような感じです。
 そこで、EQ付きのアプリを試してみました。
 よかったのは、デノンのものとオンキヨーのもの。ともに指でなぞって調整できるパラメトリック・イコライザーが使えます。再生中にはリアルタイムでスペクトラムが表示されます(デノンの方はグラフの色も変更できます)。

 デノンのアプリ「Denon Audio」は、リミッターをオフにできるのと、アッテネーターを-3dBまで設定でき、EQをオン/オフしたときの聴き比べがしやすいです。100Hzあたりの低音を3dBくらいあげて、1KHzくらいの中域を-1dBくらい、4KHzくらいの高音を+1dBくらいにしています。
 このアプリは、調整がしやすく、ネットラジオを聴くTuneinという機能も内蔵されていていいのですが、再生の方法がプレイリストを作って再生していく形で、ちょっとクセがあります。

app_denon

 オンキヨーの「HF Player」は、オプションでハイレゾ音源も再生できるようになっています。ぼくはハイレゾ音源を持っていないので不要なのですが、EQの調整画面も32KHzまであって、その分必要なエリアが狭くなっていまう。EQをオン/オフしたときに音量が変わってしまうこともあり、調整はデノンよりやりにくいです。
 アッテネーターを設定することはできないみたいなので、EQの設定は曲線がマイナスのエリアになるようにします。つまり、足すのではなく引く設定にして、オーバーロードを防ぎます。
 設定自体はデノンの場合と同じで、低音をあげ、真ん中をちょっと下げ、高音をちょっと上げています。調整曲線の形を維持したまま全体のレベルを上げ下げするには、曲線以外の部分をスワイプします。うまく設定ができれば、プレイヤーとしてはデノンより使いやすいです。

app_onkyo

ステージ用モニターですから!

 EQの設定とかに結構手間がかかりましたが、思えばこの製品、箱には「For stage use」ってシールが貼ってあります。そう、これは音楽鑑賞用というよりやっぱりイン・イア・モニターなのです。だから、EQで自分の求めるバランスに調整するのが前提で作られているっていうことなのでしょう。世に言う「フラットな特性」っていうのは、「調整しやすい」っていう意味なのか〜と分かったのでした。

ステージ用なんです! ミュージシャンみたいでしょ?(^^;

ステージ用なんです! ミュージシャンみたいでしょ?(^^;

 ということで、イアフォンの選定からエイジング、スリーブの選択、EQの設定とアプリ選びというので、一ヶ月以上はかかりました。 オーディオオタクでしょうか、やっぱり。
 まあとにかく、1万円ちょっとでこんなに楽しめるとは思いませんでしたね〜。苦労して自分好みの音を手に入れる喜び…。オタクですか、やっぱり。
 ちなみに、自分、シュアはレコードプレイヤーのときから馴染みがあって、V15 Type IVとか、あともうひとつなんとかいうカートリッジを持っていました。オタクですかね、やっぱり。

ケース

あ、あと最後にもうひとつ! ケースも付属してます。がっちりコンパクトにできていて、使いやすいんです